たんぱく質の基礎知識

たんぱく質は、なぜ大切?

「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」は、人の生命に欠かせない3大栄養素。 それがどれくらい重要なのか、あなたはご存知ですか? 知っておきたい、たんぱく質の基礎知識を解説します。

①体はたんぱく質でできている。

私たちの体の構成成分は水分を除くと、その半分がたんぱく質でできています。筋肉だけでなく、内臓や脳など体のあらゆる組織をつくり、ホルモンや酵素、免疫物質をつくりだす材料でもあります。炭水化物・脂質とともに三大栄養素と呼ばれ、心身のさまざまな働きに深く関わっています。

②たんぱく質は貯められない。

たんぱく質は脂肪のように体内に貯めておけません。常に体内で分解と合成を繰り返し、絶え間なく消費されています。しかし、加齢とともにたんぱく質の合成能力は低下していきます。たんぱく質が不足すると、活力の減退や肌荒れ、免疫力低下など心身に悪影響をもたらします。

③体内では合成できない「必須アミノ酸」。

そもそもたんぱく質とは、アミノ酸の集合体のことです。たんぱく質の種類は、約10万種あるといわれていますが、そのいずれもが、わずか20種類のアミノ酸の順序や組合せの違いによってつくられています。このうち体内で合成できない9種類を「必須アミノ酸」と呼び、食事から摂らなければならないアミノ酸です。 必須アミノ酸:トリプトファン、リシン(リジン)、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン

④動物性と植物性、その違いは。

たんぱく質を含む食品は、動物性(肉類、魚類、乳製品類)と植物性(穀類、豆類など)に分類されます。一般的に動物性たんぱく質はアミノ酸バランスに優れ栄養価が高いのが特長ですが、動物性たんぱく質を含む食品は脂質やコレステロールが気になります。
植物性たんぱく質の中でも、大豆のたんぱく質はアミノ酸バランスに優れた食品です。

もっと知りたい!私たちの体とたんぱく質

たんぱく質=筋肉のモト、と考えていませんか? たんぱく質は、私たちの体の中でさまざまな役割を担っています。

脳のインフラをつくっている

脳の神経細胞や神経伝達物質の多くは、たんぱく質が材料。体の司令塔である脳の栄養が不足すると、心身の不調の引き金になり、記憶力や思考力の低下にも繋がります。眠っている間も働いている脳は、たんぱく質を常に消費しているので日々の補給が大切です。

ヤル気・集中力を保つ

多忙な現代人は、丼などの糖質に偏ったメニューで手っ取り早く食事を済ませがち。しかしたんぱく質が不足すると、集中力やヤル気が低下してしまいます。ヤル気にはドーパミンなどのモノアミン神経伝達物質が大きく関わり、たんぱく質不足によって神経伝達物質の働きが鈍くなると、無気力・無関心に。脳の反応も遅くなり、仕事の能率低下にも繋がります。

抵抗力をキープする

体の免疫力にも関わっているたんぱく質。不足すると抵抗力がダウンし、風邪をひきやすくなる、病気の治りが遅くなるなどの影響を与えます。

子供の成長をサポートする

たんぱく質は、体の成長に欠かせないだけでなく脳の発育にも関係します。成長期にたんぱく質が不足すると、知能の低下が起こることも報告されています。また胎児の成長にも大切な栄養素なので、妊婦さんもたんぱく質不足には注意しましょう。

ストレスを予防する

人はストレスを受けると、交感神経系の神経伝達物質を分泌してストレスに対抗します。その際、大量に使用される物質が体内のたんぱく質。「折れない心」にもたんぱく質は不可欠なのです。

見た目年齢を左右する

たんぱく質は、若さのカギとなる肌のハリや髪のツヤにも欠かせません。美肌を保つためにも、肌細胞の材料であるたんぱく質をしっかり補給しましょう。また、姿勢や後ろ姿も見た目年齢を左右します。背筋のピンと伸びた若々しい姿勢を支える筋肉も、たんぱく質が材料。やはり、たんぱく質をきちんと摂ることが大切です。

骨の強さをサポートする

実は、骨にもたんぱく質が大きく関与しています。たんぱく質が不足すると、骨密度が正常でも骨折するケースも。骨密度を支えているのはカルシウムですが、たんぱく質が関わっている「骨質」が伴わないと丈夫な骨にはなりません。「骨強度=骨密度+骨質」というとらえ方が近年の主流で、カルシウムと並んでたんぱく質の大切さが注目されています。

長寿に関係する

東京都老人総合研究所の調査によると、高齢者の栄養状態の指標である血清アルブミン値(血中のたんぱく質の一種)が高い人ほど、長生きすることが明らかに。たんぱく質が、体力・能力・免疫力の維持に関わっていると見られます。食欲減退や粗食信奉などから低栄養素の高齢者が増えていますが、充分なたんぱく質は健康長寿の基本、しっかり摂りましょう。